一口にホテルと言っても、いろいろな種類があります。たとえばビジネスホテルとシティホテルの違いについて、あなたはうまく説明できるでしょうか? 「そういえばどう違うんだっけ」と首をかしげる方も多いはず。 そこで今回は、ビジネスホテルとシティホテルそれぞれの特徴と違いについてご紹介します。
「宿泊料金が安いのがビジネスホテル、高いのがシティホテル」というイメージを持たれることもありますが、実はこの解釈は正解ではないのです。ビジネスホテルとシティホテルの違いは、その機能面にあります。
ビジネスホテルは、その名のとおりビジネストリップ(出張)で使われることを前提に作られたホテルです。サービスやアメニティを最小限に抑え、宿泊することだけに特化しているため、宿泊料がリーズナブルなことが多いです。
一方シティホテルはというと、さまざまな目的での利用客を想定した、都心で快適にステイするためのホテルです。レストランやバーはもちろん、フィットネスジムやスパ、エステなどが充実しているのが特徴で、宿泊料金も比較的高額です。
法律で「ここまでがビジネスホテル」「ここからがシティホテル」というように明確に定められているわけではありませんが、一般的には機能や特徴により分けて考えられています。
ビジネスホテルによく見られる特徴は、次のとおりです。
●利用目的:ビジネストリップ(出張)
●立地:交通の便が良い場所(駅前や繁華街など)
●客室:シングルルームがメイン、客室面積が狭い(1室9〜15平方メートル程度)
●テナント:レストランが1店舗のみ(朝食会場として使われる)
●宿泊料金:安い(4,000円〜8,000円程度)
●その他
宿泊客はビジネスマンが中心のため、客室でも仕事がしやすいようシングルルームが基本です。宿泊に特化したホテルのため、アメニティやサービスは最低限であることがほとんど。従業員はさまざまな仕事を少人数でこなすため、部署の垣根を越えて一人一人がホテル全体のことを把握している傾向があります。
ではシティホテルによく見られる特徴はどんなものがあるのでしょうか?
●利用目的:ビジネス、レジャー、観光などさまざま
●立地:眺望の良い場所(夜景が見える都市の中心部など)
●客室:シングル、ダブル、ツインルームなど幅広く、客室面積が広い(15〜25平方メートル程度)
●テナント:高級レストランやバー、フィットネスジム、プール、スパ、エステ、美容院、ブティック、花屋など
●宿泊料金:やや高い(1万円〜数万円)
●その他
家族連れからおひとり様旅行者まで、客層はさまざま。その目的は都心で優雅にステイすることなので、夜景が綺麗に見えるなど眺望の良いロケーションに建ち、レストランからプールまでバラエティ豊かな設備を備えているのがシティホテルの特徴です。スイートルームもある大型ホテルであることが多く、従業員の人数も多数います。ホテル全体のことを把握するというよりは、自分の役割をしっかりこなしながら各部署で連携をとりあって働く傾向があります。
シティホテルの最大の特徴は、サービスが充実していることです。プールやスパが併設されていて、複数のレストランがある。大きなエントランスやフロントがあり、ドアマンがいて、コンシェルジュサービスやバトラーサービスがある。都心部にあるホテルがこのような大型施設である場合、ビジネスホテルではなくシティホテルと判断できます。
ただし最近はビジネスマンをターゲットとしつつサービス機能を充実させた「高級ビジネスホテル」も続々登場しています。こうした高級ビジネスホテルでは、シティホテルと遜色ない設備を兼ね備えている場合もあります。
一方で安価なビジネスホテルを利用する客層にも、レジャー目的の一人客や友人・家族連れが増えてきており、両者のボーダーラインは年々曖昧になってきています。
ビジネスホテル、シティホテル、という分類はじつは日本独自の考え方です。国際的には、次の5つのランクがホテルの分類として一般的に使われています。
1.ラグジュアリー(最高級、豪華)
2.ハイエンド(高級)
3.ミドル(中級)
4.エコノミー(普通)
5.バジェット(低料金)
それぞれについて簡単に把握しておきましょう。
●ラグジュアリー、ハイエンド
客室単価3万円以上(外資系ホテルの場合は5万円以上)のホテルは、ラグジュアリー(最高級、豪華)もしくはハイエンド(高級)と呼ばれます。ホテルの中でも最もゴージャスなクラスです。
日本では、御三家と呼ばれる高級ホテルである帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニが代表的なラグジュアリーランク。他に一部のプリンスホテル、ヒルトンホテル、フォーシーズンズ椿山荘東京、ザ・ペニンシュラホテル東京、パークハイアット東京......などが含まれます。
●ミドル
客室単価2万円〜3万円程度のホテルがミドル(中級)クラスです。
京王プラザホテル、東急ホテルなど、鉄道会社が運営する都市部のホテルが代表格です。
●エコノミー
客室単価1万円台のホテルがエコノミー(普通)クラスです。
全国展開しているビジネスチェーン系のホテルが多く、東急イン、サンルートホテル、ワシントンホテルなどが代表格です。
●バジェット
客室単価が1万円を切る価格帯のホテルはバジェット(低料金)と呼ばれます。サービスやアメニティを最小限に抑えた宿泊特化型ホテルが多く、ほとんどのビジネスホテルはバジェットクラスに含まれます。駅近などの便利な立地とリーズナブル感を売りにしているケースが多く、ここ数年で急成長を遂げているカテゴリーです。
東横イン、ルートイン、APAホテルなどが代表格。これらはバジェット御三家とも呼ばれています。
ビジネスホテル・シティホテルという分類は、前述のとおり日本独自のものです。さらにビジネスホテルの中にも「ラグジュアリー」「デラックス」「アッパースケール」という格付けがあり、シティホテルの中にも「アッパーミドル」「ミッドスケール」「エコノミー」「バジェット」という細かい格付けが存在します。
少々ややこしさも感じられる国内のホテル事情ですが、ホテルマンを目指すのであればこうした格付けにも親しんでおくと役立つでしょう。就職先として自分がどのあたりのランクを狙うのか、また憧れのホテルはどのランクに属しているのか、研究してみてはいかがでしょうか。
東京YMCA国際ホテル専門学校では、国内はもちろん海外も含めたインターナショナルなホテルの知識を体系的に学ぶことができます。本物のホテルやレストランを使用した授業や6ヶ月間のホテル実習もご用意しています。
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一口にホテルと言っても、いろいろな種類があります。たとえばビジネスホテルとシティホテルの違いについて、あなたはうまく説明できるでしょうか? 「そういえばどう違うんだっけ」と首をかしげる方も多いはず。 そこで今回は、ビジネスホテルとシティホテルそれぞれの特徴と違いについてご紹介します。
「宿泊料金が安いのがビジネスホテル、高いのがシティホテル」というイメージを持たれることもありますが、実はこの解釈は正解ではないのです。ビジネスホテルとシティホテルの違いは、その機能面にあります。
ビジネスホテルは、その名のとおりビジネストリップ(出張)で使われることを前提に作られたホテルです。サービスやアメニティを最小限に抑え、宿泊することだけに特化しているため、宿泊料がリーズナブルなことが多いです。
一方シティホテルはというと、さまざまな目的での利用客を想定した、都心で快適にステイするためのホテルです。レストランやバーはもちろん、フィットネスジムやスパ、エステなどが充実しているのが特徴で、宿泊料金も比較的高額です。
法律で「ここまでがビジネスホテル」「ここからがシティホテル」というように明確に定められているわけではありませんが、一般的には機能や特徴により分けて考えられています。
ビジネスホテルによく見られる特徴は、次のとおりです。
●利用目的:ビジネストリップ(出張)
●立地:交通の便が良い場所(駅前や繁華街など)
●客室:シングルルームがメイン、客室面積が狭い(1室9〜15平方メートル程度)
●テナント:レストランが1店舗のみ(朝食会場として使われる)
●宿泊料金:安い(4,000円〜8,000円程度)
●その他
宿泊客はビジネスマンが中心のため、客室でも仕事がしやすいようシングルルームが基本です。宿泊に特化したホテルのため、アメニティやサービスは最低限であることがほとんど。従業員はさまざまな仕事を少人数でこなすため、部署の垣根を越えて一人一人がホテル全体のことを把握している傾向があります。
ではシティホテルによく見られる特徴はどんなものがあるのでしょうか?
●利用目的:ビジネス、レジャー、観光などさまざま
●立地:眺望の良い場所(夜景が見える都市の中心部など)
●客室:シングル、ダブル、ツインルームなど幅広く、客室面積が広い(15〜25平方メートル程度)
●テナント:高級レストランやバー、フィットネスジム、プール、スパ、エステ、美容院、ブティック、花屋など
●宿泊料金:やや高い(1万円〜数万円)
●その他
家族連れからおひとり様旅行者まで、客層はさまざま。その目的は都心で優雅にステイすることなので、夜景が綺麗に見えるなど眺望の良いロケーションに建ち、レストランからプールまでバラエティ豊かな設備を備えているのがシティホテルの特徴です。スイートルームもある大型ホテルであることが多く、従業員の人数も多数います。ホテル全体のことを把握するというよりは、自分の役割をしっかりこなしながら各部署で連携をとりあって働く傾向があります。
シティホテルの最大の特徴は、サービスが充実していることです。プールやスパが併設されていて、複数のレストランがある。大きなエントランスやフロントがあり、ドアマンがいて、コンシェルジュサービスやバトラーサービスがある。都心部にあるホテルがこのような大型施設である場合、ビジネスホテルではなくシティホテルと判断できます。
ただし最近はビジネスマンをターゲットとしつつサービス機能を充実させた「高級ビジネスホテル」も続々登場しています。こうした高級ビジネスホテルでは、シティホテルと遜色ない設備を兼ね備えている場合もあります。
一方で安価なビジネスホテルを利用する客層にも、レジャー目的の一人客や友人・家族連れが増えてきており、両者のボーダーラインは年々曖昧になってきています。
ビジネスホテル、シティホテル、という分類はじつは日本独自の考え方です。国際的には、次の5つのランクがホテルの分類として一般的に使われています。
1.ラグジュアリー(最高級、豪華)
2.ハイエンド(高級)
3.ミドル(中級)
4.エコノミー(普通)
5.バジェット(低料金)
それぞれについて簡単に把握しておきましょう。
●ラグジュアリー、ハイエンド
客室単価3万円以上(外資系ホテルの場合は5万円以上)のホテルは、ラグジュアリー(最高級、豪華)もしくはハイエンド(高級)と呼ばれます。ホテルの中でも最もゴージャスなクラスです。
日本では、御三家と呼ばれる高級ホテルである帝国ホテル、ホテルオークラ東京、ホテルニューオータニが代表的なラグジュアリーランク。他に一部のプリンスホテル、ヒルトンホテル、フォーシーズンズ椿山荘東京、ザ・ペニンシュラホテル東京、パークハイアット東京......などが含まれます。
●ミドル
客室単価2万円〜3万円程度のホテルがミドル(中級)クラスです。
京王プラザホテル、東急ホテルなど、鉄道会社が運営する都市部のホテルが代表格です。
●エコノミー
客室単価1万円台のホテルがエコノミー(普通)クラスです。
全国展開しているビジネスチェーン系のホテルが多く、東急イン、サンルートホテル、ワシントンホテルなどが代表格です。
●バジェット
客室単価が1万円を切る価格帯のホテルはバジェット(低料金)と呼ばれます。サービスやアメニティを最小限に抑えた宿泊特化型ホテルが多く、ほとんどのビジネスホテルはバジェットクラスに含まれます。駅近などの便利な立地とリーズナブル感を売りにしているケースが多く、ここ数年で急成長を遂げているカテゴリーです。
東横イン、ルートイン、APAホテルなどが代表格。これらはバジェット御三家とも呼ばれています。
ビジネスホテル・シティホテルという分類は、前述のとおり日本独自のものです。さらにビジネスホテルの中にも「ラグジュアリー」「デラックス」「アッパースケール」という格付けがあり、シティホテルの中にも「アッパーミドル」「ミッドスケール」「エコノミー」「バジェット」という細かい格付けが存在します。
少々ややこしさも感じられる国内のホテル事情ですが、ホテルマンを目指すのであればこうした格付けにも親しんでおくと役立つでしょう。就職先として自分がどのあたりのランクを狙うのか、また憧れのホテルはどのランクに属しているのか、研究してみてはいかがでしょうか。
東京YMCA国際ホテル専門学校では、国内はもちろん海外も含めたインターナショナルなホテルの知識を体系的に学ぶことができます。本物のホテルやレストランを使用した授業や6ヶ月間のホテル実習もご用意しています。
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