友人や親類の結婚披露宴に参列したとき、司会者の巧みな話術やスムーズな進行に思わず感心してしまった経験はありませんか?
自分の声を使ってお祝いの席を盛り上げる彼らは、「ブライダル司会者」「ブライダルMC」と呼ばれる、司会進行のプロフェッショナルです。
場を笑顔で満開にするのも、感動の涙で満たすのも、ある意味「司会者の腕次第」と言えます。披露宴やパーティーには不可欠な存在ですね。
そんな「ブライダル司会者」を目指す人のために、仕事内容、求められるスキル、目指す方法などについてご紹介します。
ブライダル司会者とは、その名の通り、結婚式や披露宴などを中心に活躍する司会のプロフェッショナルのことです。
イベント司会の仕事の中でも、とくに需要が多いのがこの「ブライダル司会者」です。案件の単価も高く、土日祝日に仕事が集中することから、ビジネスマンの副業としても注目を集めています。
かつては、結婚式や披露宴の司会は新郎新婦の友人知人にお願いするのが一般的でした。しかし本来、スムーズな進行や聞き取りやすい話し方といった技術は、素人に一朝一夕で真似できるものではありません。
結婚式の多様化にともない、個性的な披露宴を望むカップルも増えています。オーダーメイドに近い挙式には従来以上の工夫や技術が必要です。
このため、現在では結婚式・披露宴の司会はプロが務めることが一般的とされています。
ブライダル司会者の主な仕事は、次の3つに分類できます。
この中でもメインとなるのが、「披露宴(パーティー)の司会進行」です。
司会進行と言っても、当日ただ台本を読み上げればいいというわけではありません。
ブライダル司会者は、事前に新郎新婦と入念な打ち合わせを行い、「どんな式にしたいのか」をしっかりヒアリングして、それを実現させる仕事なのです。
具体的な業務としては、次のようなことを行います。
新郎新婦との打ち合わせでは、どんな式にしたいかという要望はもちろん、二人の馴れ初めから現在に至るまでの歴史やこれからの夢など、式の構成に必要なことをヒアリングします。
式を成功させるためには、バンケットや音響・照明スタッフなど、式に携わる他のスタッフとの連携も大切です。これら他部門のスタッフとも、事前に綿密な打ち合わせを行います。
また、新郎新婦の友人がサプライズ演出を考えているときなど、ゲストとの打ち合わせが入ることもあります。
式の流れをトータルで把握し、何かハプニングが起きても対処できるようにする。そのためにも、事前の打ち合わせは当日と同じくらい重要な仕事です。
式当日はマイクを握り、司会進行を務めます。
ただ読み上げるだけでなく、シーンに沿った適切な雰囲気作りをしていくことが大切です。声の出し方や抑揚ひとつで、ムードを盛り上げたり厳かにしたりするのは、プロの腕の見せどころです。
ミスをしないよう心がける必要もあります。ゲストのお名前や祝電などを読み間違えないこと、結婚式の場で言ってはいけない忌み言葉をうっかり口にしないことは、ブライダル司会者の基本マナーと言えます。
また、時間配分をコントロールすることも、司会者の重要な役割です。
あらかじめ決められたタイムスケジュールに沿って進行できているか、できていなければどのように調整していくか、それを常に意識しながら式次第を進めていきます。
ブライダル司会者が実際に勤務する場所は、結婚式場となるホテルやゲストハウス、レストラン、神社仏閣などです。
経験を積んでフリーランスとして活躍する人も多いですが、最初はほとんどの人が、式場や派遣会社、司会者専門プロダクション、結婚式のコーディネート専門会社などに所属するところからスタートしています。
また、平日は会社員として他の仕事をしながら「Wワーク」として活躍する人が多いのも、この業界の特徴です。
結婚式は土日祝日に行われることが多いので、平日は別の仕事をしながら副業として働くライフスタイルが、比較的確立しやすいのですね。
ブライダル司会者になろうと思うきっかけは、人それぞれです。
「人前で話すのが得意で、話術を活かしたい」という人もいれば、「人見知りや上がり症を克服したい」と司会の勉強を始めた人もいます。
必須の資格や免許はないため、ブライダル司会者になるには、「基本的な知識やスキルを身に着けた上で、式場やホテル、派遣会社、プロダクションに所属する」というのが一般的です。
必要な知識やスキルは、ブライダルマナーやホテル関連の知識を学べる学校(専門学校、短大、大学など)に通うことで身につけられます。また、司会者養成スクールなどで学ぶ人もいます。
未経験でもスキルを証明できるよう、「アナウンス検定(NPO法人 日本話しことば協会)」や「ブライダル司会養成講座(一般社団法人 能力検定振興協会)」といった資格取得を目指す人も多く見られます。
新郎新婦の大切な日を担う、ブライダル司会者。求められるのは、次のようなスキルです。
ブライダル司会者は、アナウンサーと司会進行の一人二役を務めているようなもの。聞き取りやすい発声、適切な抑揚、正しい言葉遣いなど、「声のプロ」としての専門スキルが求められます。
新郎新婦の理想をヒアリングしたり、会場でともに式を作り上げる他のスタッフたちと連携をとったりするためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
結婚式には独特のマナーがあり、「割る」「終わる」など、うっかり言ってしまいそうな言葉がNGであったりもします。たとえ新人であろうと「ミスは許されない」という自覚を持ち、プロフェッショナルとして仕事をこなす責任感が求められます。
新郎新婦もゲストも慣れていない上、緊張していることが多い結婚式。ハプニングが起きることもよくあります。
何が起きても慌てずに適切な対応をしていく臨機応変さや、その場の微妙な空気を読む気配り力が求められます。
結婚式は、ハレの場です。新郎新婦をお祝いする気持ちはもちろん、「ゲストにも幸せな気持ちを届けたい」「絶対に素晴らしい式にしたい」というポジティブな思いを持って、マイクを握ることが求められます。
*
結婚式は、新郎新婦にとって一生に一度しかない大切な日です。かけがえのない一日を、幸せで素敵な思い出として残せるかどうかは、司会者の腕にかかっています。
大きな責任がともなう仕事ではありますが、その分心からの「ありがとう」を受け取ることができる、やりがいも大きな職業です。
「自分の声や言葉で、人の役に立ちたい」そんなふうに感じているあなたは、素敵なブライダル司会者になれるかもしれません。
友人や親類の結婚披露宴に参列したとき、司会者の巧みな話術やスムーズな進行に思わず感心してしまった経験はありませんか?
自分の声を使ってお祝いの席を盛り上げる彼らは、「ブライダル司会者」「ブライダルMC」と呼ばれる、司会進行のプロフェッショナルです。
場を笑顔で満開にするのも、感動の涙で満たすのも、ある意味「司会者の腕次第」と言えます。披露宴やパーティーには不可欠な存在ですね。
そんな「ブライダル司会者」を目指す人のために、仕事内容、求められるスキル、目指す方法などについてご紹介します。
ブライダル司会者とは、その名の通り、結婚式や披露宴などを中心に活躍する司会のプロフェッショナルのことです。
イベント司会の仕事の中でも、とくに需要が多いのがこの「ブライダル司会者」です。案件の単価も高く、土日祝日に仕事が集中することから、ビジネスマンの副業としても注目を集めています。
かつては、結婚式や披露宴の司会は新郎新婦の友人知人にお願いするのが一般的でした。しかし本来、スムーズな進行や聞き取りやすい話し方といった技術は、素人に一朝一夕で真似できるものではありません。
結婚式の多様化にともない、個性的な披露宴を望むカップルも増えています。オーダーメイドに近い挙式には従来以上の工夫や技術が必要です。
このため、現在では結婚式・披露宴の司会はプロが務めることが一般的とされています。
ブライダル司会者の主な仕事は、次の3つに分類できます。
この中でもメインとなるのが、「披露宴(パーティー)の司会進行」です。
司会進行と言っても、当日ただ台本を読み上げればいいというわけではありません。
ブライダル司会者は、事前に新郎新婦と入念な打ち合わせを行い、「どんな式にしたいのか」をしっかりヒアリングして、それを実現させる仕事なのです。
具体的な業務としては、次のようなことを行います。
新郎新婦との打ち合わせでは、どんな式にしたいかという要望はもちろん、二人の馴れ初めから現在に至るまでの歴史やこれからの夢など、式の構成に必要なことをヒアリングします。
式を成功させるためには、バンケットや音響・照明スタッフなど、式に携わる他のスタッフとの連携も大切です。これら他部門のスタッフとも、事前に綿密な打ち合わせを行います。
また、新郎新婦の友人がサプライズ演出を考えているときなど、ゲストとの打ち合わせが入ることもあります。
式の流れをトータルで把握し、何かハプニングが起きても対処できるようにする。そのためにも、事前の打ち合わせは当日と同じくらい重要な仕事です。
式当日はマイクを握り、司会進行を務めます。
ただ読み上げるだけでなく、シーンに沿った適切な雰囲気作りをしていくことが大切です。声の出し方や抑揚ひとつで、ムードを盛り上げたり厳かにしたりするのは、プロの腕の見せどころです。
ミスをしないよう心がける必要もあります。ゲストのお名前や祝電などを読み間違えないこと、結婚式の場で言ってはいけない忌み言葉をうっかり口にしないことは、ブライダル司会者の基本マナーと言えます。
また、時間配分をコントロールすることも、司会者の重要な役割です。
あらかじめ決められたタイムスケジュールに沿って進行できているか、できていなければどのように調整していくか、それを常に意識しながら式次第を進めていきます。
ブライダル司会者が実際に勤務する場所は、結婚式場となるホテルやゲストハウス、レストラン、神社仏閣などです。
経験を積んでフリーランスとして活躍する人も多いですが、最初はほとんどの人が、式場や派遣会社、司会者専門プロダクション、結婚式のコーディネート専門会社などに所属するところからスタートしています。
また、平日は会社員として他の仕事をしながら「Wワーク」として活躍する人が多いのも、この業界の特徴です。
結婚式は土日祝日に行われることが多いので、平日は別の仕事をしながら副業として働くライフスタイルが、比較的確立しやすいのですね。
ブライダル司会者になろうと思うきっかけは、人それぞれです。
「人前で話すのが得意で、話術を活かしたい」という人もいれば、「人見知りや上がり症を克服したい」と司会の勉強を始めた人もいます。
必須の資格や免許はないため、ブライダル司会者になるには、「基本的な知識やスキルを身に着けた上で、式場やホテル、派遣会社、プロダクションに所属する」というのが一般的です。
必要な知識やスキルは、ブライダルマナーやホテル関連の知識を学べる学校(専門学校、短大、大学など)に通うことで身につけられます。また、司会者養成スクールなどで学ぶ人もいます。
未経験でもスキルを証明できるよう、「アナウンス検定(NPO法人 日本話しことば協会)」や「ブライダル司会養成講座(一般社団法人 能力検定振興協会)」といった資格取得を目指す人も多く見られます。
新郎新婦の大切な日を担う、ブライダル司会者。求められるのは、次のようなスキルです。
ブライダル司会者は、アナウンサーと司会進行の一人二役を務めているようなもの。聞き取りやすい発声、適切な抑揚、正しい言葉遣いなど、「声のプロ」としての専門スキルが求められます。
新郎新婦の理想をヒアリングしたり、会場でともに式を作り上げる他のスタッフたちと連携をとったりするためには、高いコミュニケーション能力が求められます。
結婚式には独特のマナーがあり、「割る」「終わる」など、うっかり言ってしまいそうな言葉がNGであったりもします。たとえ新人であろうと「ミスは許されない」という自覚を持ち、プロフェッショナルとして仕事をこなす責任感が求められます。
新郎新婦もゲストも慣れていない上、緊張していることが多い結婚式。ハプニングが起きることもよくあります。
何が起きても慌てずに適切な対応をしていく臨機応変さや、その場の微妙な空気を読む気配り力が求められます。
結婚式は、ハレの場です。新郎新婦をお祝いする気持ちはもちろん、「ゲストにも幸せな気持ちを届けたい」「絶対に素晴らしい式にしたい」というポジティブな思いを持って、マイクを握ることが求められます。
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結婚式は、新郎新婦にとって一生に一度しかない大切な日です。かけがえのない一日を、幸せで素敵な思い出として残せるかどうかは、司会者の腕にかかっています。
大きな責任がともなう仕事ではありますが、その分心からの「ありがとう」を受け取ることができる、やりがいも大きな職業です。
「自分の声や言葉で、人の役に立ちたい」そんなふうに感じているあなたは、素敵なブライダル司会者になれるかもしれません。