「ウェルネスツーリズム」って何?「ウェルネス」の意味や注目されている背景・事例・注意点を解説

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旅行では、観光地での体験だけでなく、ホテルで過ごす時間も立派な旅の一部になります。その過ごし方の一つとして、近年注目されているのが、旅を通じて心と体を整える「ウェルネスツーリズム」です。


「ウェルネス(wellness)」とは、「心身ともに健康であること」を意味する言葉。そこから派生した「ウェルネスツーリズム」とは、「心身ともに、よりよい状態を目指すための旅行」のことです。

旅行の行程に、温泉やスパ、ヨガ、自然体験、食事、睡眠などのテーマをとり入れながら、自分自身をいたわる時間を過ごす旅のかたちが、「ウェルネスツーリズム」です。


この記事では、「ウェルネスツーリズム」の意味や、注目されている背景、具体的な体験例や、ホテルが果たす役割についてわかりやすく解説します。


「ウェルネスツーリズム」とは?心と体のより良い状態を目指す旅

「ウェルネスツーリズム」とは、簡単にいえば「旅をしながら、自分の心と身体をいたわる」旅行スタイルのことです。ウェルネス(健康)についての研究や普及を行う国際的な非営利組織「GWI(グローバル・ウェルネス・インスティテュート)」では、「ウェルネスツーリズム」について、「ウェルネス(心身の健康)を維持・向上させることを主目的とした旅行」(または「健康増進や病気予防を主な目的、あるいは副次的な目的とする旅行全般」)と定義しています。


「ウェルネスツーリズム」は、病気を治すための旅である「メディカルツーリズム」とは異なります。もっと幅広い人々を対象とし、温泉でゆっくりしたり、ヨガで体を動かしたり、自然のなかを歩いたりと、自分にとって心地よい過ごし方を取り入れる旅のことなのです。

観光がメインの旅行であっても、こうした体験を組み合わせれば、「ウェルネスツーリズム」の側面を持ちます。


「ウェルネスツーリズム」は、ウェルネスに特化した専門のリゾートに泊まらなければ体験できない、というものではありません。一般的なホテルでも、食事や睡眠環境、温泉、運動、地域の自然を生かしたアクティビティなど、さまざまな形でゲストのウェルビーイングを支えることが可能です。


「ウェルネスツーリズム」が注目されている背景

「ウェルネスツーリズム」が広がっている理由の一つは、世の中で「健康」の捉え方が少しずつ変わってきた点にあります。健康とは、身体に不調がないことだけでなく、気持ちにゆとりがあることや毎日を心地よく過ごせることである、という考えを大切にする人が近年増えているのです。

このため、旅行に対しても、観光やグルメに加えて「のんびりしたい」「日常から少し離れて自分を整えたい」といったニーズが増えています。


旅先での過ごし方としても、多様なスタイルが望まれています。たとえば、予定をたくさん詰め込まず、ホテルや旅館そのものを楽しむ旅や、心身を休めることを目的とした「リトリート」、近場で休暇を過ごす「ステイケーション」などが、その代表例です。


最近では、質のよい睡眠をテーマにした「スリープツーリズム」や、スマートフォンを手放して過ごす「デジタルデトックス」も注目されています。こうしたニーズに応えるため、ホテルでも寝具や照明、音、客室の過ごしやすさなど、休息の時間を支える工夫がより重要になっています。


「ウェルネスツーリズム」ではどんなことをする?

「ウェルネスツーリズム」の内容は、施設や地域によってさまざまです。たとえば、温泉やスパ、サウナでゆったり過ごしたり、マッサージを受けたりすることも、その一つ。こうしたサービスは、ホテルや旅館がこれまで提供してきた「くつろぎ」というテーマとも深く関係しています。


一方、身体を動かすプログラムとしては、ヨガやストレッチを教えるサービスや、地元でのウォーキング、ハイキング、アクティビティなどが代表的です。食事面では、地元の旬の食材や野菜を活かしたメニューや、栄養バランスに配慮したメニューなど。また、ヴィーガンなど幅広い食のニーズへの対応も、「ウェルネスツーリズム」の一環です。


そして、何かを積極的に体験することだけが「ウェルネスツーリズム」ではありません。前述の通り、快適な寝具や照明、静かな客室を整える「スリープツーリズム」や、スマートフォンから少し離れる時間を提供する「デジタルデトックス」もウェルネス体験の一種と言えます。


「ウェルネスツーリズム」でホテルが果たす役割と注意点

「ウェルネスツーリズム」において、ホテルは単に宿泊するための場所ではなく、滞在目的全体を支える存在になり得ます。食事や睡眠、入浴、運動、休息などを別々のサービスとして提供するのではなく、一連の過ごし方として組み合わせれば、ホテルに泊まること自体が旅の目的になりやすいでしょう。


また、ホテルは、地域と旅行者をつなぐ拠点にもなります。温泉や森林、海(オーシャンビューなど)、地元の食、禅や伝統文化体験、農業体験など、その土地ならではの資源を生かせるのは、ホテルの大きな強みです。地域のガイドや事業者と連携することで、より幅広い体験を提供できます。


一方で、ウェルネス体験をうたう際は、注意も必要です。「病気が治る」「自律神経が整う」など、医学的な効果を安易に断定することは避けるべきですし、とくに広告・宣伝に利用する際は慎重に検討する必要があります。また、運動プログラムでは年齢や体力、健康状態に配慮すること、食事ではアレルギーや宗教、食習慣への対応に配慮することが大切です。必要に応じて専門家と連携し、ゲストが心地よく過ごせるサービスを設計することが求められています。


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